大企業とベンチャー企業の両方に勤めて分かった11個のこと
私は一部上場の大企業勤務の経験と、ECサイトを運営するベンチャー企業勤務の経験があります。
その経験からどちらが良いのか悪いのか質問されることありますが、どちらが良い悪いという事は一概には言えません。
しかし、勤務してみると大企業とベンチャー企業の特徴と言うか違いは確かにあるので、その違いについてまとめました。
大企業勤とベンチャー企業で選択を悩んでいる就活生、大企業からベンチャー企業への転職、またはその逆を検討している転職活動中の人は是非参考にしてみてください。
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大企業とベンチャー企業で異なるところ
各担当の業務範囲が違う
大企業では作業が分担されており、一人の担当する範囲は限られています。
ベンチャー企業では業務の範囲は決まっていません。できる人はどんどん全部でやります。
極端な例では、ベンチャー企業ではマーケティング担当が、システム計画を作りシステム部含め関係部門に調整し予算を取りシステム構築のリードを行うことが珍しくありません。
この様にベンチャー企業の社員は大企業の社員よりスキルも経験も多く積むことが出来ます。
仕事の規模が違う
大企業は国家プロジェクトに関わる機会があったり、複数の大企業との合同プロジェクトに関わる機会があったり、国内外にまたがるプロジェクトに関わる機会があったりで、とても大きな規模の仕事に携わることがあります。
ベンチャー企業では大企業で扱う規模の仕事に携わることはあまり見聞きしません。
大企業とベンチャー企業では関わる仕事の規模が大きく変わります。
給与が違う
大企業の給与は、給与の平均値が高く、部署の違いによる給与の違いも少ないです。
ベンチャー企業は部署により給与が異なる場合が多いです。
営業やエンジニアなど業務系の場合は大企業とベンチャー企業は同等、もしくはベンチャー企業の方が給与が高くなる傾向があります。
しかし経理や人事や総務など、業務支援系の場合は大企業の方が給与が大幅に高くなる傾向があります。ベンチャー企業の場合これらの職種の給与は安価に設定されがちです。
平均的に考えると大企業の方が給与は高くなります。
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残業の考え方が違う
大企業は毎日定時で退社していると思う人も多いかもしれませんが、そういう事は殆どありません。
大企業の社員も毎日遅くまで、時には会社に泊まったり近くのホテルに泊まったりと、長時間勤務をしています。
そして残業代が必ず支払われます。そのため基本給の安い人は残業代を見越して生活設計をしている人もいます。
ベンチャー企業の場合も残業が多く毎日のように深夜まで勤務をしている人が多いです。
しかし会社によっては残業代が出ない、またはみなし勤務の名目で残業の概念がない(なので残業代はない)ことが良くあります。
私の勤めていたベンチャー企業は後者で、みなし勤務とされ定時を超えて勤務しても残業代は出ませんでした。
残業の有無に違いがありませんが、大企業は残業代が出るところが比較的多いです。
付き合う企業が違う
大企業の場合は大企業と付き合ったり官公庁と付き合うことが多いです。そして、その様な企業はもう何年も付き合いがあります。
そのため新しい付き合い先の企業とはめったに出会えません。
ベンチャー企業の場合は大企業との付き合いより、中規模から小規模の会社やベンチャー企業同士の付き合いが多くなります。
また新しい付き合い先の企業と仕事を開始したり、自分が新しい契約先を見つけてきたりすることがあります。
大企業は大企業と、ベンチャー企業はベンチャー企業と付き合う機会が多いです。
予算規模が違う
大企業の場合はキャッシュフローが大きく、各部のもつ予算も多くなります。
営業費、交際費、交通費、その他経費に関して自由に使えます。
ベンチャー企業はキャッシュフローが小さく、各部の持つ予算も少なくなります。
営業費、交際費、交通費、その他経費に関して自由ではありません。月々の予算があり、それを超えることが出来ません。
予算は大企業でもありますが予算の桁が異なるため、ベンチャー企業の方が厳しくなります。
社内手続きが違う
大企業の場合、あらゆる手続きのルールが規定されいます。
申請書を書いて上司に承認を貰い、手続き先(たいていの場合総務か人事)へ申請、その後承認担当数人で判断され、一週間ほどで承認されます。
会社の規模によりフローの登場人物が異なりますが、少なくとも数日は必要です。
ベンチャー企業の場合、上司に承認を貰い手続き先に申請すると承認されます。大抵半日程度です。
こういう手続きに関わる部門や人が少ないため非常にシンプルで早いです。
手続きに関してはベンチャー企業が圧倒的に早いです。
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食事事情が違う
大企業の場合、大抵会社で食堂やカフェテリアを持っています。
一般的な金額の半額程度です。外で食べると1000円ほどの食事が500円ほどで食べられます。これはとても助かります。
そして外で食べる場合は店を選んだり移動する必要がありますが、そのような面倒なこともありません。
ベンチャー企業の場合、外で食べることが殆どです。毎日昼ご飯に1000円ほど必要となるのは結構痛いです。
私は大雨だと昼ご飯抜きとする日がよくありました。
大企業だと食事に必要な金額は相場の半額、食事の場所も提供されています。
住宅事情が違う
大企業の場合、個人寮や社宅を持っていることが多いです。大抵の場合40歳まで2万円~5万円程度の家賃で住むことが出来ます。
場所は都心近郊が多く、中央線、京浜東北線、京葉線、埼京線沿いが多いですね。神奈川県、千葉県、埼玉県になります。
ベンチャー企業の場合、個人寮や社宅を持っておらず、その代わり住宅手当が出る企業が多いです。
住宅手当の相場は5000円から10000円です。
大企業は住む場所が提供されます。
その他の福利厚生も違う
大企業の場合、会社契約の保険、財形貯蓄、住宅ローン、転勤手当、単身赴任手当、旅行や掃除など家庭向けサービスがあります。
ベンチャー企業の場合、殆どありません。住宅ローンを組むのも苦労する可能性があります。
大企業は福利厚生が揃っています。
転職時のうけが違う
大企業の場合、うけが非常に悪いです。特に30半ばを超えた場合はなかなか転職が出来ません。
大企業の社員は、制限された業務の範囲でしか仕事をしない事を当たり前と考えています。ここからここまで、と仕事の範囲があります。
この考え、この動きで何年も過ごすとその会社でしか通用しない人間になってしまいます。
残念ながら、会社から一歩でて他社に行くと、全くと言っていいほど通用しません。
ベンチャー企業の場合、うけが非常にいいです。キャリア次第で何歳でも転職の選択肢があります。
ベンチャー企業の社員は仕事の幅が広く、自分で企画し自分で予算を確保し自分で人を集め自分でプロジェクトを回すことが出来ます。
そのため他社に行っても主体的に仕事をできるため即戦力として活躍できます。
転職に関しては、圧倒的にベンチャー企業社員の方がうけがいいです。
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大企業とベンチャー企業で異なるところまとめ
大企業とベンチャー企業の違いを簡単にまとめると
業務について
大企業では効率化させるため部署や社員の業務範囲を限定させています。全体の一部を担当するイメージです。
ベンチャー企業では限られた社員で業務を行う必要がある上に、各部門の業務範囲があいまいなため業務範囲の縛りはありません。
大企業の社員はその会社のスペシャリストとなってしまい他社では何もできない人となってしまいます。
しかし、ベンチャー企業の社員は業務を最初から最後まで対応できる人になります。
転職について
転職を意識すると、ここまでに書いた理由により、大企業の社員よりもベンチャー企業の社員の方が圧倒的にうけがいいです。
大企業勤めの人で転職を考えているのであれば20代後半がベストです。
遅くても30代半ばまでに転職をしなければ、それ以降となると転職先を見つけることに苦労すると思います。
ベンチャー企業の社員であれば40代50代でも転職先を見つけることは出来ると思います。
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福利厚生について
圧倒的に大企業がいいです。どの観点で比較してもベンチャー企業とは比較になりません。
食事や住宅に必要となる個人の費用は大企業の方が圧倒的に少ないです。
それに加えベンチャー企業の場合、住宅ローンを始めとしたローンを組むときに苦労する可能性があります。
まとめ
大企業に勤めていると他社に通用しないキャリアが積みあがってきます。そのため30半ばを超えると徐々に転職が難しくなります。
給与も安定している上に福利厚生も整っているので、40代以上の人は特段の不満が無ければ定年まで勤めることが良さそうです。
しかし大企業でも定年まで居られる保証はないため、安心して勤めあげられる訳ではありません。
早期退職制度など、30半ばを超えると会社の方針変更や業績の状況に振り回される事が増えてきます。
定年まで勤めるための努力が必要となります。
ベンチャー企業に勤めていると他社でも通用するキャリアを積むことが出来ます。
30半ばだけでなく40代50代でも転職先を見つけることが出来るでしょう。
しかし大企業の様な給与の安定と福利厚生はありません。
選んだ会社によっては良くない待遇で勤めざるを得なくなりますし、倒産の可能性もあります。
この様に大企業もベンチャー企業もそれぞれリスクがあります。
どちらに勤めていても会社に依存も執着もせず、リスクをうまくコントロールしていきましょう。
頑張りましょう。
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